タヒチの島々の旅のサステナビリティ
タヒチの島々は、手つかずの自然が残る楽園として知られています。生き生きとした海洋生物、驚くほど透明な海、そして、香り高いティアレのレイと真の笑顔で旅行者を迎えてくれる温かい地元の人たち。これこそが、タヒチの島々の真の宝なのです。
こうしたわけで、タヒチはハネムーンやバケーションのデスティネーションとして、最も魅力的で人気のある場所のひとつとなっています。
未来の旅行者と地域社会のために、この素晴らしいデスティネーションを守るために、持続可能な旅行とスローツーリズムを推進する多くの取り組みが進行中です。皆様も旅の選択を通じて、このポジティブな変化の一端を担うことができるのです。
タヒチの島々の文化的なサステナビリティの慣習とエコツーリズム
環境保護は現代的な概念だと思われるかもしれませんが、タヒチの島々では何千年も前から人々は環境と調和した生活を送ってきました。
タヒチの言葉で「聖なる力」、「神秘的な力」を意味するマナ。マナは島々の精神であり、土地、海、野生動物、そして人々を神聖な絆で結ぶ力です。環境とのバランスを保ち、マナの精神を尊重することで、古代ポリネシア人はいくつかの慣習を通じて自分たちの生活を守ってきました。その一例が、先祖代々受け継がれてきた「ラフイ」という慣習です。これは、特定の海洋種や陸上種を一時的に禁漁にし、その保護と再生を図るものです。ラフイは現在でも、ラパ島やマイアオ島、タヒチのテアポウ地区を中心に行われています。フランス領ポリネシアの海洋保護に良い影響を与えています。
タヒチの島々には、世界最大の海洋保護区があります。300万平方マイルに及ぶこの場所は、クジラ、ウミガメ、エイ、そして2006年から保護されている20種以上のサメなど、さまざまな保護種の天国であり、海洋生物の多様性のバランスに不可欠な場所です。タヒチの島々にはたくさんの野生動物が生息しており、彼らとの出会いは忘れられない思い出になります。
フランス領ポリネシアでは、1996年から、糸釣り以外の漁具・漁法の使用を禁止しており、排他的経済水域(EEZ)はポリネシア漁船団のために確保されています。フランス領ポリネシア以外には漁業免許は販売されておらず、産業漁業も厳しく禁止されています。
旅をより持続可能なものにするためできること
タヒチの島々が受けた最も有害な環境影響のいくつかは、何百年も前に旅行者によってもたらされたものです。クマネズミ、有害雑草のオオバノボタン、蚊などの外来種は、探検家、商人、宣教師らが持ち込んだものです。その結果、固有種の鳥類がクマネズミに捕食され、人間が蚊に刺されて命にかかわる病気にかかるなど、タヒチは壊滅的な打撃を受けました。
繊細な調和を保っているこれらの島々の環境に旅行者の選択が長期的な影響を与える可能性があります。旅をより豊かにし、スローで持続可能な旅を促進するために、以下の体験を旅に加えてみてはいかがでしょうか。
- ーレア島のTe Fare Natura EcoMuseumを訪問: 生物多様性や植物園に関する展示があるユニークな博物館です。
- モーレア島やボラボラ島でサンゴを植栽: リゾートにサンゴの植栽プログラムがあるかどうか調べて、参加しましょう。また、 Coral Gardeners からサンゴを購入してタヒチの海で育成してもらい、旅の記念にすることもできます。
- モーレア島のウミガメ・リハビリ・センターを訪問: 絶滅の危機に瀕したウミガメの救出とリハビリのために重要な活動を行なっているTe Mana o Te Moanaを訪問。
- 文化センターやユネスコの世界遺産を訪問: アリオイセンターやタマエバ文化センターなどの文化センターを訪れ、現代のポリネシア人の祖先である古代のマオヒの人々の慣習を学びます。ライアテア島にあるユネスコ世界遺産「ポリネシア・トライアングル」の中心地タプタプアテアのマラエ(神殿)や、フアヒネ島のマエバ遺跡などを訪れ、古代ポリネシア人の高度な航海技術に驚きながら、その豊かな文化に触れてみてはいかがでしょうか。
- 正式認可を得ている業者を選んでクジラと遊泳: クジラと一緒に泳ぐことを計画している場合は、必ず認定された業者を選んでください。クジラを観察しながら、出産と育児のために島を訪れるこの繊細な種を保護し、不思議な体験をすることができます。
- マイバッグ持参、または現地産のバッグを購入: タヒチでは、使い捨てのビニール袋の使用が禁止されています。また、地元で持続可能な形で作られたバッグを購入し、旅の思い出にするのもよいでしょう。
より良い旅行体験のためには制約も
タヒチの島々では、地元住民が観光から恩恵を受け、環境が旅行者の数に耐えられるように、観光に対して理にかなったアプローチを実施しています。海洋環境を保護しながら観光客の体験を向上させる方法のひとつに、いくつかの島に寄港できるクルーズ船の大きさを制限することがあります。例えば、ボラボラ島では乗客定員1,200人以下のクルーズ船のみが入港可能で、700人以下の地元を拠点とする客船が優先されます。このような制限を設けることで、壊れやすい海洋環境を保護し、最高品質の観光体験を提供することができるのです。
タヒチの島々では、3,500人以上の乗客が乗船できるクルーズ船は、給油などのため寄港するテクニカル・ストップのみ許可されています。
一年中タヒチの島々を拠点とし、地元の人々に最も恩恵をもたらすクルーズ会社が好ましい会社とされています。こうしたクルーズ会社のひとつであるポール・ゴーギャン・クルーズは、海洋教育と保全のための財団であるテ・マナ・オ・テ・モアナ協会とも協力し、乗客に豊かな海洋野生生物のユニークさを理解してもらえるよう取り組んでいます。
ウインドスター・クルーズとタヒチの島々で最も歴史のあるクルーズ会社であるアラヌイ・クルーズは、海上における環境の持続可能性を規定するMARPOL規制を遵守しています。また、アラヌイ社の船主と乗組員の大半はポリネシア人です。アラヌイの航海は、ポリネシア人の生活様式を反映するもので、本物の文化と伝統に触れることができ、世界で最も人里離れた手つかずの島々を旅する船上で全身で感動する体験が得られます。
信頼できる業者を選んで楽しい旅を
タヒチの島々では、多くの旅行会社がサステナビリティを推進するための施策を組織で取り入れています。ナニ・トラベルズは、持続可能な観光を専門とする旅行代理店です。彼らのガイドラインに従うことで、個人旅行であれ、企画旅行であれ、責任ある包括的な滞在が可能になります。また、「グリーントリッパー」と呼ばれる二酸化炭素排出量削減プログラムにより、環境に与える影響を相殺することができ、さらに会社の利益の一部が地元団体に寄付されるため、旅行者が地域社会の発展に貢献することができます。ナニでは、ポリネシアの伝統と文化を伝えるために、地元の子供たちと観光客の子供たちが一緒になって、文化、教育、レクリエーション活動に参加する独自の取り組み、「タマ・プログラム」の第1回を開始したばかりです。
旅行中にするべきこと、してはいけないこと
するべきこと
- 水中では鉱物由来のサンゴに優しい日焼け止めだけを塗る。 オキシベンゾンやオクチノキサートなどの化学成分で作られた有害な日焼け止めは、サンゴを白化させる可能性があります。サンゴ礁に安全な日焼け止めの指標は、酸化亜鉛や酸化チタンが主成分であることです。
- “Made in Fenua” 製品をお土産に購入する。タヒチの島々には、素晴らしい職人やクラフトマンがたくさんいます。お土産に地元の製品だけを購入することで、重要な文化的生産を保護することができます。
- タヒチ語を話そう! タヒチの島々ではタヒチ語が話されています。いくつかの単語を覚えることで、この美しい言語を保護することができます。タヒチ語を学ぶ
してはいけないこと
- エイに触ること! 近づいてくるエイを受け身で楽しみ、手を出さないこと。人間が触ると、皮膚の保護成分に影響を与え、病気にかかりやすくなります。また、餌付けはしないでください。
- サンゴを取ったり、触ったりすること! サンゴはその場所で鑑賞してください。サンゴは他の海洋生物の生息地となっています。
- プラスチック・フリーになろう! 使い捨ての包装を持ち込まないように、訪問中に使い捨てのプラスチックを購入しないようにしましょう。プラスチックは海の環境にとって非常に有害です。
持続可能性に配慮して旅行することで、タヒチの島々が未来の世代も楽しめる宝物であり続けることができるのです。